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2010年10月12日 (火)

「帰れま10」の心理

ここ最近、バライティーの質が下がって、楽屋落ちみたいな番組が多くなったこともあり、テレビを見る機会が格段に減ったのだが。。。

テレビ朝日の「おためしか!」の企画、「帰れま10 (かえれまてん)」は好んで見る。
そこに、追い詰められた、人間の心理が見え隠れするからである。

「帰れま10」は飲食店の人気メニューのTOP10を、すべて当てるというコーナ。
実際に店舗に、芸能人が集まり、順に一品ずつ注文、料理を分けあいながら完食する。
完食後、人気ランキングが発表され、一喜一憂するというものである。

だが、あたりもすれば、はずれる場合もある。
この番組の面白いところは、TOP10すべて正解しなければ帰れないし、食べ続けなければならないという点。
また、ロケの開始は深夜。また、食事は注文を受けてから調理されるため、長い時間、拘束されるので、出演者たちにはかなりの心理的負担がかかると思われる。。

私がこの番組に、面白みを感じるところは、序盤に正解を連発しつつも、終盤に近づくにあたり、外れを選ぶケースが増え、出演者たちのイライラや焦り、その思考パターンの変化に面白みを感じる。

序盤は、メニューに向きあって、今、自分自身が食べたいもの+人気がありそうなメニューから選択していく。そのため、割と、早い段階(2〜3時間くらい)で、TOP10のうち7〜9品ほどは当てることができる。

しかし、胃袋が満ちてきたあたりから、急に正解が出なくなり、そこからが、出演者同士のイライラのぶつかり合いが始まる。

出演者たちは、注文するメニューを互いに相談しながら決めているようなのだが、次第にお腹にたまるものを避けるような注文になっていくのだ。
これ以上食べたくないという心理が、楽な方楽な方へと流れていく過程が、見られる。

さらに、ある回答者が苦しいながらもみんなが食べたくないものを注文、食べ終わり、順位が発表され、外れたとき、
 「なんで、勝手に決めたかなあ・・・」
 「なんでそうだんしなかったのよ?」
そんな、イライラを回答者にぶつけられ、回答者も萎縮してしまうのだ。
そうやって、失敗を重ね、思考も単純化され、収録がさらにのびていくのだ・・・。

たとえば、同じはずれでも、53位と、12位ではデータの上では全く違うのだが、「終盤の帰れま10」ではTOP10か、否か?の思考しか働いていないものと思われる。。

そして、最終的に、回り道を重ね、TOP10を達成されたときには開始から10時間かかっているのだ。。。

この番組は、非常に興味深い。

 ・ 満腹感を感じていないときと、満腹感を得たときとで思考パターンが変化する点。
 ・ 個人の考えを押し通し、失敗した時の周囲の反応。

この「帰れま10」の終盤の状況は、いろんなところで見られる。。

私はかつて、とある会社の業務を請負い、チームを率いて仕事をしていたことがある。
そこの現場では、リーマンショックの影響を受けて、急速に業績の悪化。
社員の残業を禁止するようになった。
当然、社員の残らない現場に、我々も居残って仕事できるわけもなく、一緒に退社していた。
しかしながら、すぐに残業規制を無視し、仕事をする社員がでてきた。
仕事が終わらないせいだ。
すると、「 長い時間、仕事しても残業が発生しない請負に仕事をやらせよう 」と言い出す人が現れた。
それはそれで構わない、必要な人数をそろえてくれれば。しかし、そうはならなかった上に、作業場を社員が常駐しない、場所へ移された。いくらでも仕事しろ、ということだったのだと思う。

仕事もすぐに分析の結果、さまざまな不明確な点が出てくるので、質問を投げる。が、その回答が帰ってこない。
打ち合わせのたびに、新しい仕様や新しい情報を言い渡され、システムに詰め込む。
そのうちに 「とりあえず、」という言葉が飛び交うようになった。
先が見えないプロジェクトに、みんな閉塞感を抱くようになり、そして、メンバーは言われたことをただ、「こなす」だけの集団になりつつあった。
作るプログラムも何も考えず、ただ、ただ、長いコードを書くだけ。500行ほどに収まっていたものが、あっというまに3000行を超えた。

また、PLの立場として、私自身、システムが改修にたえきれないと感じ、システムのアーキテクトの補強と、新しいフレームワークの作成を提案した。
しかしながら、誰ひとりとして、やろう、とも、いや、やめようとも、はっきりした返事はなかった。
仕方が無いので、私は誰にも知られないように土日に出社してプログラムをつくりはじめた。
しかし、すぐに周りが知ることとなり、そんな姿勢を批判する人間が出てきた。
お前の仕事ではない、意味のないことをやっている、残業代もでないのに、いわれたことさえやってりゃいいのに・・・。
さらには、何かよからぬことをやっているのでは?という疑いまでかけられ、私は求心力を失い、簡単な約束ですら守ってもらえなくなった段階で、私は仕事をやめた。
仕事に支障をきたすからだ。

当時のことを振り返ると、「帰れま10」と同じ心理が働いていたのだと思う。
同じようなことが、日本各地で起こっているのではないだろうか?
正社員の生産性は毎年1.2倍に増えているという。
逆に、契約社員の生産性は0.8倍。
正社員になる人のほうが優秀なのだ!と主張する人もいるだろう。

が、実際にはそんなことはなく、正社員自身がサービス残業をしている人間多い。
いやいや、うちのPCでは電源をオンにして、シャットダウンするまでの時間を記録している!、うちの社員が優秀なのだ。と言い張る経営者の方もいらっしゃるだろう?

しかし、現場では、リモートで自宅からサーバーに接続して自宅で作業する人や、残業がつかない日を把握して、仕事する人もいるだろう。
みんな、変な気遣いしながら、仕事をしているのだ。

私が聞いた究極的な話がある。
 ・ 定時になると即退社し、家で睡眠をとる。
 ・ 下りの電車の終電に乗り込み、出社。
 ・ そのまま、提示になるまで仕事する。
そうすると、長い時間仕事できるというもの。

「 帰れま10 」から学ぶべきことは余裕や遊びが無いと、良い仕事ができないということだと思う。
閉塞感や、焦燥感を感じると人の思考が単純化し、楽な方楽な方へと流れてしまい、新しい意見も目に見える成果があがらないと、スルーされてしまい、結局、遠回りをするハメになる。

不幸なのはこういう心理が、モノづくりの現場で働くと、良いものは生まれることはない。
「急がば回れ」、非常に深みのある言葉であると実感する。

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